ズブ濡れの雨が心の芯を濡らし、バンの巻き上げる乾いた砂ぼこりが舌の上にザラザラと残る。
いろいろな映画に接しますがなんとも後味の悪い、こんなエンディングを私は知りません。
「PRIDE」は天秤に乗せれば、我が国ではいい方に傾くはずですが「高慢」ですか、なるほど「LUST」が「肉欲」、最後に残るいえ残すのが「ENVY=嫉妬」と「WARTH=憤怒」となる。
謎解きを最後まで持っていくこの脚本も秀逸なんですね。
「ENVY=嫉妬」とは「WARTH=憤怒」を呼ぶ起こすものである、が、私の解釈です。
他の5つは関連性が無いと説明も出来なくもありませんが、この2つは深く関連します。
ラストに残す題材はこの2つしか有り得ません。
Trailerの最後の赤の縦線4本と斜めにこれを消すラインとで5つ、残りの縦線2本が残る2つの大罪としてこれを意味しているのだと!
アカデミーの監督賞が未だないフィンチャーですが、不思議です。
ケビン・スペイシーもブラッド・ピットもこの映画で大スターになりましたが。駄目ですか?
DVDのみならずTVオンエアも含め幾度とこの映画は観てますが、ケビン・スペイシー扮するジョン・ドゥの生い立ち・人生の背景がよくわからなかったような気がします。
そこは敢えて出さない方がいいんでしょうかね?近々、もう一度観てみます。
サマセット刑事役のモーガン・フリーマンが素晴らしい、この人が一度それに載ると映像が締る。
「UNFORGIVEN - 許されざる者」でもそうでしたが、イーストウッド彼だけではこの映画も出来ない!
彼やジーン・ハックマンがいるからこそです。
たった一つの表情で演技の出来る当代、" 最高の役者 " だと思います。
さて宗教の話になりますが、キリスト教では悪魔の象徴サタンは十二の羽を持つ大天使長だそうです。
天使を人間より下位の存在として位置づけるイスラム教においては、サタンが神に背いた理由は、神が天使より人間を上の位置に置いたことに 「嫉妬」 したためとされています。
最後に硝子のビードロ細工のような、彼女が住む映画の中の街で孤独に押しつぶされそうな グウィネス・ パウトロウの好演をどうか、お見逃しなく。
彼女の演技が、臓物を掴み出されるような驚愕のラストの "やるせなさ" を倍増させています。