The one and only  

If you always put limit on everything you do,
physical or anything else,
it will spread into your work and into your life.
There are no limits. There are only plateaus,
  and you must not stay there, you must go beyond them.
Bruce Lee

 

「メイ・リン役のベティ・チュンに武術指導」
「メイ・リン役のベティ・チュンに武術指導」

 

  彼とは"永い付き合い"となるでしょうから、渾身の気持ちでこれを書くことにしました。

個人的な見解や想像が少々はいることをお許しください。

 

  伝道師という言葉が世に在りますが、彼、ブルース・リーとはまさにそれではなかったのか?

最近になって、ふとそう想うことがあります。

格闘家・武術家・アクション・スター・始祖、彼を讃える言葉は多岐にわたります。

170センチに満たない身長は(諸説ありますが、多分これが正解だと感じます)、当時の基準にしても小さい方ではないでしょうか、ですが香港は彼のスケールを持て余しました。

単身で渡米しレストランの皿洗いのバイトをしながら、何故ここまで登りつめられたのか。

この疑問のかすかなヒントはTV番組に紹介された戴拳道のジムに飾られた写真の中にありました。

李一族の集合写真で、唯一その上半身を顕示するかのようにポーズをとる小生意気げな少年!      

彼こそブルースその人だったのです。

一族がその一族の者を助け合う"客家の精神"が米国における彼の生活の土台ではないでしょうか、そしてその上に自分が最も素晴らしいものなのだという顕示欲・上昇志向・生意気さ・自信これらが巧妙に上手く人生の中でリンクした男が彼なのだと、私は思います。

時代も彼の後押しをしました。 

 

  希少な彼の映画から「GAME OF DEATH/死亡遊戯」を取り上げました。

「ドラゴンへの道」のように彼が造る彼の映画だったのでは ないのかと感じてなりません。

ハリウッド資本で大成功をその後おさめるブルースですが、自分で全部やりたかったんでしょう。

「燃えよドラゴン」の監督ロバート・クルーズは何かにつけて撮影の際にブルースから注文がきたとインタビューで語っています。

「それじゃ、鍛錬につぐ鍛錬によって成り立つ "芸術としての武術の醍醐味" が台無しじゃないか!」 と。

 

  以降、時は流れ色々なスターが彼の後を追いました。

また、巷にはブルースはただのアクションスター実際は弱いんだ、腕が体にしては細い。

などと好き放題の意見があります。彼の前腕の太さはアメリカのボディ・ビル専門誌でも高評価ですがね!

私自身は彼のようなインパクトを受けたアクション・スターを未だに観たことがないのです、前も後も・・・それは映像の中で衝撃を与えなくては所詮二番煎じということ。 ワイヤー物は飽きます。

創造主であるということにおいて、彼こそは本物です。

 

最後に「ENTER THE  DRAGON」の大ヒットを彼には見せてあげたかった、そう思います。

心底そう思っています。

どうせ、あの得意げな小生意気な、でも自信に満ち溢れた顔で武術の哲学を語ったことでしょう。

残念でなりません。