Pacino’s Way 深い瞳に愛を散りばめて

  ギラギラと人の心臓を撃ち抜くような眼光の持ち主はやがて時を重ね、柔らかい深い瞳で人の心を包み込む名優となりました。

最も好きな俳優であるアル・パチーノの功績に敬意を表し、彼のように歳をとっていければと感じています。

キラ星のごときアルの作品から「インソムニア」を紹介いたします。

 

  インソムニアとは不眠症を意味する言葉で映画のクレジットであるとともに、大きな背景でもあります。

アラスカの田舎町で起こった少女撲殺事件、ロス市警から応援として派遣された2人の刑事が飛行機でその町にむかうシーンの空撮から、この映画は始まります。

ヒラリー・スワンクが演じる地元警察のエリーが2人の助手としてストーリーに絡んでいきます。

過去の事件によって内部監査部にマークされているアル演じるウィル・ドーマーそして、その相棒のハップ・・・白夜の町ナイトミュートで不眠症に悩まされるウィルですが過去の事件への罪悪感に苛まれるウィルにとって、これこそ彼の心の葛藤としての不眠症と解釈できます。

同僚のハップを深い霧の中で誤射してしまうウィル、だがそれは本当に誤射だったのか?

「未必の故意  / Willful negligence」を考えさせられる重要なシーンではあります。

物語はもう一人の主人公といえるロビン・ウィリアムズ演じるウォルターが登場し意外な展開へと進んでいきます。

 

 

クリストファー・ノーランのお得意とするサブリミナル効果のようなフラッシュバックが多用されています。