Small play & Miss Lips 大人の優雅な瞬間

 

 

 皆さん、台風大丈夫でしたか?

大きく大きく育つようになっちゃって、健康優良児みたい地球気候の影響なんでしょか。

今年は当たり年なんでしょうかぁ嫌ですね。

台風一過、今回は”大人の華麗な時間”を楽しんでいただける作品です。

私をして最も憧れるスティーブ・マックイーンとこちらもスキニーな女性の色香がたまらないフェイ・ダナウェィの共演 !

1968年公開の「The Thomas Crown Affair/邦題 華麗なる賭け」です。

 

 屈強な役柄を演じることの多いマックイーンが、大人の恋を演じた作品です。

タフガイなイメージの彼にとって異色ですが、当時いえ今、観てもそんな彼が新鮮に写ります。

マックイーンとダナウェイとの関係を描いた作品と解釈すればこの映画はスムースに心に留まると感じます。

お互いに思惑があり本来敵同士の二人がなんとか相手を陥れて出し抜いてやろうと思いつつも、次第に惹かれあう。

富豪が富豪である事の代名詞が次々と映像に登場します。至高の趣味ともいえるグライダー・サンド・バギー、そして趣味の良い調度品に包まれた空間での有名なチェス・シーン、違和感無く演じるマックイーンとダナウェィの大人の駆け引き。
洗練されたマックイーンが犯罪者ということを忘れさせるほど男としての魅力を発散します。

にも増して、私は個人的にダナウェィの洗練されて、ノスタルジックで、パリ・コレのモデルのようなその当時のファッションを見事に着こなす演技を評価し、是非ご覧いただきたいと思います。

 失礼ですがリメイク作品との微妙ながら、時間がたつにつれ理解できる差が、オリジナルには存在しています。

ダナウェィといえば「俺たちに明日はない」がエポックであまりにも有名ですが、私はこの作品の彼女が好きです。

記憶に残るであろうチェス・シーンの虚ろで、甘美で、誘惑的な表情とキス・シーンの上手さは特筆もので現代のキス・シーンが下手な女優たち(お許しを!)とは大違いですね、オードリー・ヘップバーンもキス・シーンが上手い女優さんですが 。

 

 その二人が過ごす時間の過程の描き方によって、何故相手に惹かれてしまうのかが視聴者にわかるようになっていて、いきなり恋愛ありきではないんですね。そこをしっかりと描いたから結末のこのシーンが生きてきます。
そう、これは大人の華麗なる瞬間を描いた恋愛映画。甘い雰囲気や切なさが漂いますが、タフな犯罪物の映画ではない。そんな二人の関係を楽しめればとてもとても面白い映画です。

懐かしき古き良き時代の演出はCGだらけの堅さや角がない雰囲気を感じさせて、大ラスのドンデン返しをより心地よくさせています。

遙か大空のスティーブ、そしてダナウェィの大人の女としての表情の移り変りが素晴らしい ! 

ストレスだらけのこの世界、夜更けにお好きな酒をお手元においてご覧ください。

なんと粋なことか

 

やはり聖林は素晴らしい。