この作品を最初に観たのはTVオン・エアだったと記憶しています。
「水を得た魚」という表現がありますが、まさにエディーにとって、そのものドンピシャの映画じゃないでしょうか。
アメリカでいう ”スタンディング・コメディアン” として、すでに16歳から活躍していた彼の才能を監督のウォルター・ヒルが見抜いての大抜擢の「48Hrs.」です。後の彼の活躍は皆さんもご存知のところでしょう。
この作品は本当に面白い、文句なしに魅せます。
エディとニックのお初の面会シーンはまさにエディの真骨頂ですから・・・コレです!
注目したいのは、ニック・ノルティが素晴らしいという事 !
「武骨なる粋」とでも表現すればいいでしょうか? こんなタイプが少なくなりました。映画も現実も!
エディが彼の持ち味を存分に発揮出来得たのは、ニックとのコントラスト「硬vs軟」による男と男の絡みがあってこそですよね。
風貌がアメリカ人独特の(失礼!)雰囲気じゃないなぁと思ったらドイツ系なんですね、彼は。
北欧の血が入っているかのようにも当初感じましたが、なんとも素敵な役者です。
ジェフ・ブリッジスのように骨の太い演技から、コミカルな演技もこなします。
勿論、カリスマ的なエディを中心に物語は進むんですが、是非ニックとの絡みを観ていただきたいと思います。
エディには「ビバリーヒルズ・コップ」という大ヒット作がありますが、私はこれを推します。
アクションも十分に見せてくれます、のっけの待ち合せの酒場(?)でのジェームズ・レマー扮するギャングの頭目とその一味が二人を銃撃するシーンは迫力があります。そう、脇の役者がまたいいんです。
ギャング一味の中に「プレデター」でインディアンのスー族の末裔を演じてスマッシュなソニー・ランダムなんかも出てたりしていい味出しています。
こんな共演者に挟まれてのチャイナ・タウンでのガン・ファイトやクラブでのニックの大立ち回りはチャチなパーツが全く無くて、だから余計にエディの軽妙洒脱な演技とニックの一種頑固な刑事役がカチンと音をたてるようにはまります。
安っぽい、男の友情が次第に生まれていくなどという歯の浮く説明は入れたくないんですが、
当初、訳のわからない半端な罪人と考えていたニックが48時間というタイム・リミットタイムをエディと過ごしていくうちに妙に芽生えていく「奴を認めていっている自分」という演技、そして魅せる渋い表情の移り変りは72時間でもいいのではとさえ感じます。
後、24時間たした際には、別名の映画になっちゃいますからね(笑)。
飽きさせません、笑います、ぶっ放します、洒落れてます、しんみりも少し、 お見事です!
肩の力を抜かせながらヤル時はヤル、これがウォルター・ヒルの演出にしてキャスティングです。
これが映画です。