少しの隙間が早、3ヶ月になっていたとは驚きです。
余した時間に、観直す機会があった「硫黄島からの手紙/Letters from Iwojima」です。
ひとの営みなど宇宙から見れば葉から露の落ちるが如き・・・
されど壮大なその地の支配者たる神はモネータ(人々の約束における神からの忠告)の命を与えたといえます。
その忠告の中心に位置するものに 「国家を守れ!」 というものが あるはずです。
パトリオット(愛国者)のパトリは 「父祖の地」 、ドゥエラー(住民)は 「留まる人」 の意 ・・・
と、これをすると同胞の限界線は歴史的に形成された国境にあるとしか言えません。
この国境を守るため、この同胞の父祖の地を拡大するため、人類は多大な犠牲を払って来ました。
今と明日にしか生きることの出来ない我々が出来ることがあるとするなら、
”忘れてはならない” という戒めではないでしょうか。
今やハリウッドきってのフィルム・メーカー のクリント・イーストウッドが放つ彼独自の目線で描かれた秀作は淡々とそれを伝えてくれます。
クリント直訴で唯一出演がきまった渡辺謙の 演技はこれに応えて余りがあります。
どちらが勝ったなどということでなく、我が国家・我が国民のために硫黄島の砂に埋もれた人たちがいることを私は忘れないでおこうと思っています!
触れることの出来なかった指先、叶わなかった団欒。
わたしやあなたに今、こんな事が出来るのでしょうか ・・・
頭上をかすめてゆく雨あられのような銃弾に倒れ、かすかな砂の臭いを嗅ぎながら遙か家族を思い浮かべたことでしょう。
彼らは軍人である前にひとりの人間なのですから。
全編日本語の映画が外国語映画賞ではなく作品賞にノミネートされるのは初めて、いつカメラがまわったのかが俳優に気付かれないようなイーストウッドの演出はアメリカでも評価が高く ”忘れがたい傑作(Rolling Stone) " と絶賛されました。
届かぬ手紙をしたため戦った彼らは勇者であり、恥ずべくことは一切ありません。