このレビュー未登場のジャンルの西部劇です。
ジョン・スタージェス監督メガホンの「荒野の七人/ The Magnificent Seven」、世界のクロサワ「七人の侍」のリメイクは言うに及ばず、 エルマー・バーンスタインのテーマとともに鮮烈な印象を与えました。
映画は時として小説を超えるかのような言葉(名セリフ)を残すもの
カサブランカの 「君の瞳に乾杯」 Here's looking at you, kid.
ダーティハリーの 「さあ、撃たせろ」 Go ahead, make my day.
フォレスト・ガンプでは
ママは言ってた。
「人生はチョコレートの箱みたい」って。
「食べるまで中身は分からない」
Mama always said life was like a box of chocolates. You never know what you're gonna get.
当時すでにハリウッドの大スターであったユル・ブリナーを 島田 勘兵衛役に添え続く役どころにはのちの映画界を担う大スターをズラリと並べました。
オールスター・キャストの宣伝文句は映画界では良く聞きますが、これほどのキャスティングを私はついぞ知りません!
個性的な俳優を個性的な役どころにピタリとはめた演出は明快で簡潔です、勧善懲悪と言い旧された表現を使います。
ず~っと、そして最近までわたしもそう思っていました。
見直すうちに、それは単純なストーリーやドンパチに埋め込まれた言葉の 「間」が 効果的なエッセンスなのではと感じてなりません。
日本人の尺度で測れない壮大な荒野での人間のつながりや営みを台詞が代弁してくれています。
「間」に埋め込まれたクリスとヴィン、二人のやり取りは人生の凝縮です。
農民に寝返りされ窮地に追い込まれた七人が盗賊団の首領カルベラを演じるイーライ・ウォラックにガンマンの命ともいえる銃を渡すくだりは秀逸です。
-なんで、おめえたちのような頭のいい奴らがこんな仕事を引き受けたのかがわからねぇな?
以下がその質問に続くスティ-ブ・マックィーンの台詞です。
Like a fella I once knew El paso.
Took his clothes off and jumped in a mess of cactus.
I asked him the same question ... Why?
-And ?
He said it seemed to be a good idea at the time.
いつだったか服を脱いでサボテンの上に飛び降りた奴がいるんで、
何でそんな事をしたのか俺も聞いたことがある。
-それで?
「その時はそれでいいと思ったそうだ。 」
この映画を観ていく上で最も明快で重要な台詞ですね。
映像・音響これらは映画を構成するに欠かせないものたちですが、それ以外にも重要なファクターはあるのだと !
これが、わたしが今まで観た映画で最もクールだと感じたやり取りです。
ちなみにわたしの好きな言葉は どんでん返し 嗚呼だからいつまでもこれか。
では皆さん、また 次の機会に。
Vayan Con Dios.