An Officer and a Gentleman/愛されたくて愛したんじゃない !


 この映画において強調されるのは、青春物語やシンデレラ・ストーリー・不遇な環境に育ちながら様々な経験をしながら成長してゆく青年。

80年代初頭を飾ったこの作品は特にアジアでは「青春映画」 の代名詞的な存在となります。

 

 実際の映画化には障害はいろいろ付きまとうもの、ベタだと思われるエンディングは制作側においても反対の声が根強く、到底無理だと考えられていたようです。

リチャード・ギアとデブラ・ウィンガーの共演ですが、ギアは彼女を一筋縄ではいかない女とインタビューで語っており、またルイス・ゴセット・ジュニア演じるフォーリー軍曹のしごきに耐えたメイヨがデブラ演じるポーラと再会してのベッド・シーンはデブラの腰の動きが卑猥だと検閲からもクレームが出たようで、個人的にはシーガー演じるリサ・アイルバッハーとのほうが男女としては馬が合ったんだろうなと見返すにつけ感じてはいます。

 

 ルイス・ゴセット・ジュニアはこの映画でアカデミー助演男優賞を取っていますが当然でしょう。

これほどの適役があろうとは土台思えません!!

メイヨと反目しつつも上官の冷静な眼で高所から彼の資質を試すくだり、そして極めの格納庫での決闘を受けるシークエンスは行きどころのないメイヨのその後を決める重要な場面!

ポーラ演じるデブラのハイライトはお互いふたりの家庭環境がだぶるかのような、ポーラの実家での食事のくだり、そしてポーラが実の父親の写真をメイヨに見せる場面を個人的に推薦します。

 

難解な謎解きをせずにサラッと見れることもエンタテインメントの王道です。

古典ですが、音楽も良くて・・・

リネットに結婚を拒まれたシドはメイヨとは反転するような良家の次男ですが、最悪の選択をとった彼を抱き包むギアの演技には感動しました、素直に。

リチャード・ギアのファンで、すべての彼の作品を見てます。

賞に縁のない彼ではありますが、日本のCMでも彼の気さくさや優しさは感じられます。

うまく年を重ねていて、とても好感が持てるのです、(自然にまかせているようで)。

 

ハリウッドでも彼の存在は定着しています。

満を持して放つ野心作がこれです。

ああ、このひとを見続けていてよかったなと思える作品のようです。

それがファンという物でしょ、互いにオッサンになったとしても。