The Rite 「エクソシストの真実」 / sometimes over- action

 

 

 こじんまりとし父が営む葬儀社でその助手をする息子のマイケルはやがて神学の道に進むことに、信仰を享受できずただ一人の理解者であった母を幼くして失ったマイケルに皮肉にも神は試練を与える。
「悪魔祓い」 という・・・
 
 大筋でいう思惑と相反するもの 「自己の葛藤」 にホラーを練り込んだ作品。
海外のレビューでもB級 (B‐graded) 評価がほとんどなのですがなかなか観れました。
マイケルを演じるコリン・オドナヒューはアナウンスが少なくてググればやはりドラマ俳優、若干線が細いのが気になりますが大抜擢に近いんじゃないでしょうか。
良かったのが父に犯され呪われし赤子と悪魔を対で宿す少女ロザリオ役のマルタ・ガスティーニ。身体も大きいほうじゃないのにその目つきといい悪魔が支配した時の猥らでふしだらな腰の誘いはリンダ・ブレアにはないものです。(下の画像)
 
 わたしは神父 (神) と悪魔のセリフのやり取り!翻訳なわけですが興味深かった。
ハイライトといえる悪魔バールにその身を奪われたルーカス神父とマイケルの闘いはこの映画のハイライト!アリシー・ブラガ演じるアンジェリーナの忌まわしい過去を悪魔の爪で腹わたをえぐり出すように罵るルーカスとのやり取りはそれらの本性をみるに極めつけであり、その鉾先はマイケルの不信心 (doubter:疑う者) へと向かいます。
ただひとり、もっとも自分に近し者を失ったマイケルにトラウマのようにのしかかる疑心が彼から神を遠ざけてきました。
悪魔憑きは精神的異常や耐え難い過去から逃れようとする内なる自身が引き起こす多重人格ではないかと。
その人間の弱さを悪魔はことごとくえぐろうとします。
 
 
Yes. I belive in you.   「お前を信じるとも」
I belive in the devil.   「悪魔を信じる」
 
I belive in you… so, i belive in God. 「悪魔を信じる・・・ゆえに神を信じる」
 
I accept him in this moment.    「今こそ 私は神を受け入れる」
 
 
こうしてマイケルは神父となります。
 
信じるか信じないかは、あなた次第です!