日本公開2008年のリドリー・スコット 「American Gangster / アメリカン・ギャングスター」 です。
星5つに近い95点の評価点です。4回観れました、4回!
これだけ続けて観れた作品はひさびさです。
サブタイトルは対比をあらわしています。
御大は 「Black Rain / ブラック・レイン」 でも題材としてこれを使いました。「Matchstick men / マッチスティックメン」 もある意味そうでした。根底にある物、それは人間・家族です。
ハーレムを取り仕切る男のボディーガード・運転手として、彼亡き後のハーレムを一代で肝っ玉成り上がる男・フランク・ルーカスをデンゼル・ワシントンが、腕もポパイなら役どころもポパイ的な弁護士志望の刑事をラッセル・クロウが演じています。
デンゼルが特品です!! ほぼ文句のつけようが有りません。
ハーレム独特の (行ったことないけど) 街風情やジトジトとした体臭のきついデカの腐れ仕事の雰囲気、とんでもない腐敗に浸りきった悪徳刑事たちの当たり前を時にスローを使い効果的に、光モノの好きな黒人の音楽や張った腰の動き・金銀衣装を小物まで吟味し尽くした美術手腕で捌ききるリドリー・スコットには脱帽しました。
国内・海外のレビューをとっても、この映画への意見は分かれます。
ひとを貶めては殺す「悪魔の粉」 を売るフランクがことハーレム・家族・夫婦間においては母親に豪邸を与え兄弟一族を呼び、妻を愛しむ男であるに対し、かたや家族どころか妻と子供の親権を争う訴訟中。
その裁判のオンナ弁護士とは既にねんごろで、家にもオンナを引きずり込む、おまけに100万ドルをご丁寧にも署に持ち帰り自ら札束を勘定する堅物野郎。(ラッセル・クロウがうまいわ、くたびれて頑固で)
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ここに当時の腐敗の象徴である特別な悪徳刑事のトルーポを粉のように混ぜるからおもしろい。こいつらはカネ以外に、掠め取り、混ぜて薄めてさばく訳ですからその時代が如何に腐っていたことか。
あなたならどうしますか?
ショボくれたわたしなどもうシッチャカメッチャカでフランクがいいかな。
それを許す時代背景もあったわけでしょ。70年代というなんとも淫靡で色気のある卑猥な時代でした。
評価が別れるとは後半だと思います。両雄ぶつからずの幕引きは少々薄めの塩コショウなどという感じで-5点。
けど部外者追っ払ってのデンゼルとクロウのサシもこれまたいいんです。