初めに1972年 「Un flic / 邦題 リスボン特急」 です。
メガホンはジャン=ピエール・メルビル、主演のアラン・ドロンとは3作目、
重く陰鬱なオープニングの撮影はアンリ・ドカエが担当1960年ルネ・クレマンの 「太陽がいっぱい」 も
フランス映画お得意のフィルム・ノワール、主演・監督・撮影は三位一体。
難解かといえばそうでなはなく、形式・お国柄の問題ではないのかなと思います。文化とも
時間をかけて3度見直しましたが、
2回目で気づきました・・・遅いですが! 音楽ですね、薄い。ルネ・クレマンではそうではなかった
これが味といえばそれまでなのかも。
でも興行は厳しい。
来日したときにアランは 「日本の方はハリウッドがお好きなようだ」 などと皮肉飛ばしてましたが、マニアだけが映画好きじゃない。
フランスで自らの位置を気づき意気揚々と乗り込んだ聖林は当時マカロニ・ウエスタン全盛でワイルドなオトコがもてはやされた時代。彼は馴染めなかった、黒のスーツのシャツの襟元を無造作に崩そうとも肩肘張ったTVに映しだされた姿に違和感がありました。
失意の中、彼はフランスに戻ることになります。
ドヌーブには中性的な魅力を感じました。(一枚の薄いバリアがある感覚かな)
とはいえフィルムル・ノワールも確立されたジャンルで元々はアメリカの40年代~50年代に制作された犯罪映画とは意外。
年取って、こじつけで1点入れられるようなアメリカ独特のエンディングはもういいかなという頃合いには打ってつけかも。
次回は
奇しくも同じ1972年のアメリカ的ワイルドな男の代名詞スティーブ・マックイーンのゲッタウエイです。
ポスターひとつ取っても違います!