TINKER TAILOR SOLDIER SPY / Talk it after 4 times watching

 

 スパイ映画には名作が数多くあります。

 

 1987年ケビン・コスナーの 「No Way Out / 追いつめられて」、2001年ロバート・レッドフォードの 「Spy Game / スパイゲーム」 は記憶に残る作品でした。

派手なアクション、読み解く面白さのふたつに分かれるということも。

 

ゲイリー・オールドマン主演の 「裏切りのサーカス / Tinker Tailor Soldier Spy」 を今回は紹介します。シーケンスの配置を巧みに入れ替えて編集し、セリフは少なく、カットとカットの間に鍵やヒントを置く手法は難解です。

宣伝自体が 「一度目、あなたを欺く。二度目、真実が見える」 と堂々と謳っておられます (笑)

そういう意図だということです、監督の。 パズルを合わせるのでなく薄い砂に覆われたタイルを吹くわけです、二度目・三度目になると 「その物や意図」 の輪郭が見えてくる。

 

 俳優陣は英国の一線級がキャスティングされています。

あっ、この人は?とか ・・・ オッサンどっかで見たぞとか  但し折り紙つきのオッサンでした (爆)

エイリアンで幼虫が飛び出たお方、橋の上でアイアン・マンと一騎打ちされたお方、ザ・ライトで雨の中転んだお方、うまく喋れなかった首相などなど。

 

 ここ2年間でわたしが見た作品の中では一番上に置きます。

 

この監督は巧いと思いますよ、もひとつ美味いののはゲイリー・オールドマンです。

これで取れませんかアカデミーを、う~ん分からんなぁ。映画の中でソ連諜報部の中心にいるカーラにさえ敏腕とマークされるサーカス (英国諜報部) を追われたスマイリーを演じていますが妻のアンを思うに出来ず孤独でしかも精神という木を削りとられるかのような立場にいるオトコを演じてピカイチ!です。

いまや飛ぶ鳥を落とす勢いのベネディクト・カンバーバッチも押しです。

 

 そうそうに出会える作品ではないと

 

2回は見てねー と、配給元がおっしゃっています。 これをクリアすれば病みつきになるかも。

 

そう、辛抱の先にこそ光明はやって来ます! ラストでスマイリーとギラムがフリオ・イグレシアスの 「La Mer」 をバックに微笑みすれ違うさまはまさにその物です。