リチャード・ギアが切羽詰まった富豪を演じる 「 ARBITRAGE / 邦題 キング・オブ・マンハッタン 危険な賭け 」 です。
嗚呼、いつも通りの固定化されたギアの演技かと出始めは少々失望しかけましたが全く違いました。ひと皮むけています。
本編はギアで引っ張る映画ですが
抑揚のないドラマをここまで評価の対象とせしめたのはリチャード・ギアの演技だと思います。
筋立ては世間によくある話しだと考えがちですが、それを巧みにかわそうと決着が追いかけてくる感覚は土壇場を出し抜く男の裁量・判断・計算として自らに置き換えてみても面白い。
立場を、取引を成立させるがための選択は身分や境遇を利用し、更には娘をも追い詰めてゆくことに。
そして男の選択は
最期に 家族からの裁定取引としてやってきます。
The things you own end up owing you.
は
「 あんた、自分の所有物にいつの間にか支配されてるぞ 」 とでも言えるでしょうか