「座頭市関所破り」 1964年作品にしてシリーズ第9作目の作品。
時代が時代なのに非常に明るい画像が見られる。原っぱに人ひとりでも全く異和感がない。
この作品のまえにラッツセル・クロウとジェニファー・コネリー「ノア 約束の舟」を観たが余りに暗くて疲れ果てた。
なんと暗く悲しくここまで暗いシーンがおおいのかと思うほど。
反して半世紀以上まえのこの作品の明るいこと。土間、ふすま、障子、土壁だらけなのに。
日本映画の撮影技術の高さ・照明の正確さが垣間見られる。
雪舞う関所での平幹二朗演じる用心棒との一騎打ちは照明がそのものズバリを照らし圧巻ともいえる。暗闇だが魅せる部分はくっきり抜き取ってくれている。
下手な現代特殊効果の撮影が逃げ出すほど。
また、死闘を終えた座頭市が上着を平幹二朗にかぶせる場面は、ブルース・リーがオマージュとして「ドラゴンへの道」のチャック・ノリスとのコロシアムの死闘後のシーンに存在する。
これから持ってきたんですね。それほどブルースでさえ勝の座頭市にはレスペクトしていた。
日本の撮影技術も!それが証拠に「ドラゴンへの道」の撮影には日本の西本正氏を起用しまた全幅の信頼を寄せていたと書籍で読んだ。
キャスティング、プロット、編集も申し分がない。
中田ダイマル・ラケットが場を癒やす。
ハリウッドにそしてアカデミーに聞いてみたい。
なぜあの韓国映画がそれを取り、黒澤は取れなかったのか?!(名誉賞でお茶を濁したのがアカデミーだ。)
なぜ日本の俳優は取れないのか?
欲しくもないが未熟なジャリタレに奉仕する理由も無いだろう、どうだろうか?
演技にして勝新太郎は天才肌であるが研鑽も忘れなかった。